頭が痛い・・・宮田さん・・・うう・・・ん
手で宮田を探す。でも、手のひらが感じるのは冷たいシーツの感触だ。
目を開けて彼の姿を探したいが、重い瞼は思うように動かない・・・
声を出して呼ぶが返事はない。
宮田さん・・・宮田さん・・・私・・・離婚するのよ・・・やっとあなたと一緒になれるの。ねえ・・・奥さんに話、してくれた?言ったわよね・・・私が辰夫くんと別れたら今度こそ結婚してくれるって・・・言ったわよね?
返事はない。
嘘よね?子供ができたなんて?もう奥さんとはしてないって、言ってたわよね?違うよね、ねえ・・・ねえ・・・・
「ぐえ!がはっ!」
胃の奥からこみ上げてくる。口から鼻から・・・涙も出てくる。
でも宮田の声は聞こえない。
つらいよ・・・寒い・・・あんなに熱いのが私の中にあったのに・・・どうして今はこんなに寒いの・・・
「お姉ちゃん!大丈夫?ああ・・みー姉ちゃん!大変!よし姉ちゃん吐いた!」
あ・・・聞こえた・・・でもこの声・・・真美子?
「あら、大変。真美子、佳美を横向けにさせて、口を開けて、かきだして」
「ええ~?マジで?もう、なんでこんなに飲んでるのよ!?」
美登里姉さんの声も・・・・うっ・・・
「げは!ごぼ!」
目が開いた。同時に吐いた物の匂いが鼻を刺した。
「え?何?・・・う!げぼうう」
「よしねえ?気が付いた?ああ~!また吐いた!うげ~・・・」
真美子の声が遠くなり、佳美はまた目を閉じた。吐いた物が顔や髪についていて気持ち悪いのだが、どんどん意識は沈んでいった。
「・・・・大丈夫かしら・・・救急車呼んだほうが・・・・」
あ・・・救急車・・・・奥さん・・・出血って・・・・流産したの?
してないって・・・奥さんとはずっとしてないって言っていたのに・・・・
「ううっ・・・うえ、えええん・・・・」
声が出る。暖かい液体がこめかみを濡らしている。ああ、泣いてるんだ。私・・・
「・・・よしねえ、泣いてるよ・・・泣き上戸?」
「・・・泣くぐらいだから、息してるってことよね・・・大丈夫ね」
誰かに何かを言ってドアの音がすると、室内は音がしなくなった。
「う・・・・うぅん・・・」
ホテルで一人取り残された後、どうしたのか佳美は考えていた。
この頭の痛さや嘔吐したことからどこかで飲んだようだが、まったく覚えていなかった。
美登里と真美子の声が聞こえたから実家になんとか帰ってきたのか・・・
その時、冷たいものが顔を覆った。誰もいないと思っていたので佳美は驚いたが、重い身体は動かせず、目だけを薄っすらと開いて室内を見回した。
誰かが濡れたタオルで顔を拭いてくれていた。蛍光灯の下で影になって顔はわからない。
ただ、頬を撫でる指先が佳美に懐かしい、暖かいものを感じさせた。
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ちょっとペースをあげて更新していきます。
6月中には完成させたい・・・
それに見やすいように順番に表示されるように変えたいのですが
慣れてないので時間かかりそうです・・・
手で宮田を探す。でも、手のひらが感じるのは冷たいシーツの感触だ。
目を開けて彼の姿を探したいが、重い瞼は思うように動かない・・・
声を出して呼ぶが返事はない。
宮田さん・・・宮田さん・・・私・・・離婚するのよ・・・やっとあなたと一緒になれるの。ねえ・・・奥さんに話、してくれた?言ったわよね・・・私が辰夫くんと別れたら今度こそ結婚してくれるって・・・言ったわよね?
返事はない。
嘘よね?子供ができたなんて?もう奥さんとはしてないって、言ってたわよね?違うよね、ねえ・・・ねえ・・・・
「ぐえ!がはっ!」
胃の奥からこみ上げてくる。口から鼻から・・・涙も出てくる。
でも宮田の声は聞こえない。
つらいよ・・・寒い・・・あんなに熱いのが私の中にあったのに・・・どうして今はこんなに寒いの・・・
「お姉ちゃん!大丈夫?ああ・・みー姉ちゃん!大変!よし姉ちゃん吐いた!」
あ・・・聞こえた・・・でもこの声・・・真美子?
「あら、大変。真美子、佳美を横向けにさせて、口を開けて、かきだして」
「ええ~?マジで?もう、なんでこんなに飲んでるのよ!?」
美登里姉さんの声も・・・・うっ・・・
「げは!ごぼ!」
目が開いた。同時に吐いた物の匂いが鼻を刺した。
「え?何?・・・う!げぼうう」
「よしねえ?気が付いた?ああ~!また吐いた!うげ~・・・」
真美子の声が遠くなり、佳美はまた目を閉じた。吐いた物が顔や髪についていて気持ち悪いのだが、どんどん意識は沈んでいった。
「・・・・大丈夫かしら・・・救急車呼んだほうが・・・・」
あ・・・救急車・・・・奥さん・・・出血って・・・・流産したの?
してないって・・・奥さんとはずっとしてないって言っていたのに・・・・
「ううっ・・・うえ、えええん・・・・」
声が出る。暖かい液体がこめかみを濡らしている。ああ、泣いてるんだ。私・・・
「・・・よしねえ、泣いてるよ・・・泣き上戸?」
「・・・泣くぐらいだから、息してるってことよね・・・大丈夫ね」
誰かに何かを言ってドアの音がすると、室内は音がしなくなった。
「う・・・・うぅん・・・」
ホテルで一人取り残された後、どうしたのか佳美は考えていた。
この頭の痛さや嘔吐したことからどこかで飲んだようだが、まったく覚えていなかった。
美登里と真美子の声が聞こえたから実家になんとか帰ってきたのか・・・
その時、冷たいものが顔を覆った。誰もいないと思っていたので佳美は驚いたが、重い身体は動かせず、目だけを薄っすらと開いて室内を見回した。
誰かが濡れたタオルで顔を拭いてくれていた。蛍光灯の下で影になって顔はわからない。
ただ、頬を撫でる指先が佳美に懐かしい、暖かいものを感じさせた。
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6月中には完成させたい・・・
それに見やすいように順番に表示されるように変えたいのですが
慣れてないので時間かかりそうです・・・
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