「・・・あっ、あっちって・・・げほ!」
むせてしまった。辰夫はナポリタンが口から飛び出すのを防ごうとして両手で口を押さえながら美登里に聞き返した。
「あ!やだ、大丈夫?お水飲みますか?」
心配そうに見つめる美登里の視線を感じながら、コップに注がれた水を一気に飲み干した。息が荒くなるのは、むせたのが理由ではなさそうだ。
「・・・あの・・・ごめんなさい。変なこと聞いちゃって・・・」
俯きながら申し訳なさそうに謝る美登里は心なしか頬がそまっているように見えた。
「・・・その・・・あまり、こういうこと話せる人がいなくって・・・辰夫さんなら、聞いてもいいかなって思って・・・」
「僕でよければ・・・」
といったものの、美登里が何を聞きたいのかよくわからなかった。アッチといえば・・・夫婦の営みのことだろうと想像がつくが、なぜ美登里が妹夫婦のそんなことを聞きたいのかが辰夫にはわからなかった。
「あ、でも、先にナポリタン食べましょうか。冷めちゃうし」
そういうと美登里はフォークにくるくるとスパゲティを絡め、口に運んだ。
桃色の唇の間に赤いスパゲティが吸い込まれていく。
「ん~、ちょっと子供向けの味付けだったかしら・・・どう?辰夫さん、食べられますか?」
ああ、大丈夫です、美味しいです、と答えたが本当は味はわからなかった。美登里が何を聞きたいのか、それに気を取られていたし、視線は美登里の艶かしい唇に釘付けだったからだ。
「・・・いつも、子供たちとだけの食事だから、ついつい子供向けのメニューになっちゃって・・・」
そうか、旦那の将彦さんは出張の多い仕事だったなあ。そんなことを辰夫は思い出していた。
「将彦さんは、なかなか家に帰ってこないんですか?」
残り少なくなったナポリタンを絡めながら辰夫は聞いてみた。
「そうねえ・・・家に帰ってくるのは、月に1週間もないんじゃないかしら・・・」
「え?そんなに帰ってこないんですか?」
それでは単身赴任と変わらないではないか、小さい子供がいるのに、これでは美登里さんも大変だ。
「ん~、全国の支社に行って社員を教育する立場だから、忙しいみたい。でも、久しぶりに子供を見ると成長がとてもよくわかるみたいよ」
そういって美登里は笑った。でも次の瞬間に彼女の顔に影がさしたのを辰夫は見逃さなかった。
ほとんど味のわからない昼食を食べ終え、辰夫はソファに座っていた。前にあるテーブルには淹れたてのコーヒーがあり、いい香りをさせていた。そして辰夫のすぐ隣には美登里が座って所在無さそうにコーヒーを飲んでいた。
さっきの美登里の質問が気になって仕方が無い。でもこちらから聞くのも躊躇われる内容だ。これは忘れた振りをして、コーヒーを飲んだら帰ったほうがいいかも・・・と辰夫は考えていた。
「・・・辰夫さんはコーヒーはお嫌いでしたか?」
辰夫がなかなか手をつけないので心配そうに美登里が聞いてきた。
「あ・・好きなんですが・・僕、猫舌なんで、今、冷ましているんです。佳美にもよく子供みたいだって言われます」
猫舌なのは本当だ。
「そうなんですか・・・」
ふっと美登里の顔が寂しそうに見えた。
もしかしたら、本当に将彦とのことで悩んでいるのかもしれない。それなら自分から聞いてあげたほうが美登里も楽なのではないかと、辰夫は考えた。
「あの・・僕に聞きたいことって・・・」
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むせてしまった。辰夫はナポリタンが口から飛び出すのを防ごうとして両手で口を押さえながら美登里に聞き返した。
「あ!やだ、大丈夫?お水飲みますか?」
心配そうに見つめる美登里の視線を感じながら、コップに注がれた水を一気に飲み干した。息が荒くなるのは、むせたのが理由ではなさそうだ。
「・・・あの・・・ごめんなさい。変なこと聞いちゃって・・・」
俯きながら申し訳なさそうに謝る美登里は心なしか頬がそまっているように見えた。
「・・・その・・・あまり、こういうこと話せる人がいなくって・・・辰夫さんなら、聞いてもいいかなって思って・・・」
「僕でよければ・・・」
といったものの、美登里が何を聞きたいのかよくわからなかった。アッチといえば・・・夫婦の営みのことだろうと想像がつくが、なぜ美登里が妹夫婦のそんなことを聞きたいのかが辰夫にはわからなかった。
「あ、でも、先にナポリタン食べましょうか。冷めちゃうし」
そういうと美登里はフォークにくるくるとスパゲティを絡め、口に運んだ。
桃色の唇の間に赤いスパゲティが吸い込まれていく。
「ん~、ちょっと子供向けの味付けだったかしら・・・どう?辰夫さん、食べられますか?」
ああ、大丈夫です、美味しいです、と答えたが本当は味はわからなかった。美登里が何を聞きたいのか、それに気を取られていたし、視線は美登里の艶かしい唇に釘付けだったからだ。
「・・・いつも、子供たちとだけの食事だから、ついつい子供向けのメニューになっちゃって・・・」
そうか、旦那の将彦さんは出張の多い仕事だったなあ。そんなことを辰夫は思い出していた。
「将彦さんは、なかなか家に帰ってこないんですか?」
残り少なくなったナポリタンを絡めながら辰夫は聞いてみた。
「そうねえ・・・家に帰ってくるのは、月に1週間もないんじゃないかしら・・・」
「え?そんなに帰ってこないんですか?」
それでは単身赴任と変わらないではないか、小さい子供がいるのに、これでは美登里さんも大変だ。
「ん~、全国の支社に行って社員を教育する立場だから、忙しいみたい。でも、久しぶりに子供を見ると成長がとてもよくわかるみたいよ」
そういって美登里は笑った。でも次の瞬間に彼女の顔に影がさしたのを辰夫は見逃さなかった。
ほとんど味のわからない昼食を食べ終え、辰夫はソファに座っていた。前にあるテーブルには淹れたてのコーヒーがあり、いい香りをさせていた。そして辰夫のすぐ隣には美登里が座って所在無さそうにコーヒーを飲んでいた。
さっきの美登里の質問が気になって仕方が無い。でもこちらから聞くのも躊躇われる内容だ。これは忘れた振りをして、コーヒーを飲んだら帰ったほうがいいかも・・・と辰夫は考えていた。
「・・・辰夫さんはコーヒーはお嫌いでしたか?」
辰夫がなかなか手をつけないので心配そうに美登里が聞いてきた。
「あ・・好きなんですが・・僕、猫舌なんで、今、冷ましているんです。佳美にもよく子供みたいだって言われます」
猫舌なのは本当だ。
「そうなんですか・・・」
ふっと美登里の顔が寂しそうに見えた。
もしかしたら、本当に将彦とのことで悩んでいるのかもしれない。それなら自分から聞いてあげたほうが美登里も楽なのではないかと、辰夫は考えた。
「あの・・僕に聞きたいことって・・・」
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