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官能小説もどき

フルタイムで働きながら官能小説家としてデビューも狙っているかみやなぎです。ひとまずの目標は毎日更新です。

「幸せの前夜 6」

「僕が逝った直後だ。兄はいつも中だしで外には出したことなかったらしい。その時、僕の顔をハッキリ見て間違えたことがわかったみたい」

 「あ~あ~、お兄さん、サイテー。彼女どうしたの?それから?」 

 女の手の動きは止まらない。柔らかく絡めた指に意識が集中していた。

 「あ?ああ、謝っていたよ。僕もなんだかバツが悪くて。そのまま帰す訳にもいかないから、シャワーを使ってもらって、遅くならないうちに帰ってもらった。僕から兄に連絡するからって言ってね。もちろんセックスしたことは誰にも言わないって約束して」


 女は僕の脚の間に身体をいれると、ペニスに唇を寄せた。先から透明な液が出ていて、それを舌先で舐めている。

 「あなたはいつ、彼女が風邪引いたときに見た人と一緒だってわかったの?」

 上目使いで僕を見る。いやらしい顔だなあ、って思うとますます血が女が握っているモノに集まってきた。

 「帰る時に聞いたんだ。もしかして前にも引越しの時に兄に会わなかった?って。そしたら彼女、よく引越しで逃げられるんだって笑っていたよ。いつも追いかけてばかりで、でも好きなんだって」

 「高校生の時から、想っていたんだね」

 僕は時計を見た。もう夜中の1時前だ。こんな夜に女性を一人で歩かせるわけにはいかないなあ、やっぱりここで朝まで過ごそうと思った。

 「もうこんな時間だし、僕はここに泊まるつもりだけど、君はどうする?帰るならタクシー呼ぶけど」

 女は竿の根元から舌を這わせていた。意外に熱い吐息がかかって僕のペニスはビクビクと震えた。

 「私も泊まる。朝ちょっと早起きすれば間に合うから」

 僕も少し早起きしたほうがいいな。昼からとはいえ着替えに戻らないといけない。

 「僕は明日、結婚式なんだ。昼からなんだけど・・・」

 女ががばっと身体を起こした。

 「結婚式?何?独身最後に遊んでみたって感じ?」

 「あ、違う違う。僕のじゃないよ。兄の結婚式なんだ」

 女の驚いた表情に僕もびっくりした。

 「へ?お兄さん?話に出ていた?」

 女が手を離したものだから、臨戦態勢になっていた僕の分身はぺチンという音を立てて、下腹に倒れてきた。

 「そう、4つ違いの僕の兄の結婚式だ」

 あら~、と言いながら、女はまた僕の右横に滑り込んできた。お預けを食った分身が悲しそうに動いている。

 「明日って日がいいのかな?私も結婚式に出るの。・・・私のじゃないよ」

 女の左手を取って、おねだりしている分身に導いた。女の手は柔らかく、暖かかった。

 「新婦さんが行きずりの男と結婚式の前夜にこんなことしていたら、びっくりだよね」

 「行きずりかあ・・・そうかなあ。そうでもないんだけど・・・」

 女が引っかかることを言うので、顔を覗きこんだ。

 「え?知り合いだったっけ?」

 申し訳ないが覚えていない。似ている人は知っているが。

 「そうじゃなくて・・・似てたの、あなたが。初恋の人に」


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