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官能小説もどき

フルタイムで働きながら官能小説家としてデビューも狙っているかみやなぎです。ひとまずの目標は毎日更新です。

「陵辱マンション40(完) 山岸レイの心配」

まったく、管理人も変えさせられ、2部屋が空きになってしまった。今日は引越しの手伝いということだが、文句の一つもあいつに言ってやりたい。

 そう思いながら、山岸レイは8階のある部屋に入った。引越し業者がもう荷物を運んだらしく部屋の中はがらんどうだ。

 「おお、レイ。遅いよ、もう終わったぞ」

 奥からこの部屋のもと住人、前田達也が顔を出した。

 「もとから手伝う気なんてないわよ。今日は文句を言いに来たの」

 掃除でもしていたのだろうか、達也の手には雑巾が握られていた。

 「掃除なんてこっちで業者いれてするから、いいわよ。あ、雛ちゃんはどうなの?調子」

 この部屋の隣に住んでいた皆川雛子、この家は先月、先に引っ越してしまった。このマンションの持ち主であるレイとしては、良い住人が出て行くのは結構つらい。ましてや出て行く理由を作ったのが目の前にいる達也だから、見るとムカムカする。

 「ああ、いま家で寝てるよ。つわりがひどいみたいで」

 まったくこいつは・・・隣の人妻に手を出し、しかも妊娠させたという。離婚の原因も作ったのだ。

 「・・・たっちゃんって、ほんとに悪よねえ・・・他人の家をずたずたにして」

 数ヶ月前に達也に頼まれたことを思い出していた。何気なしにレイが管理人室あてに妙な手紙や電話があることを達也に言ったときだ。管理人はレイの仕事仲間で、今は引退しレイのマンションの管理を任されていた。

 「遅かれ早かれ、皆川夫婦は駄目になってたよ。俺はただきっかけを作っただけだ。あの浮気相手の女もまさか本当に管理人が雛を襲うなんて思ってなかったんだろう。ただ鬱憤を晴らすためにあること無い言って、雛を苦しめてやりたかったのさ」

 管理人に手紙や電話をしてきたのは間違いなくあの浮気相手の女だ。それの裏は取れている。ただ、達也はそれを利用して皆川雛子に決定的なダメージを与えた。レイプ未遂として。

 「たっちゃんから雛ちゃんを襲ってくれって頼まれた時はびっくりしたわよ。私もあんたには借りがあるから・・・おかげて管理人は変えなくちゃなんないし、あんたもお隣さんもでていっちゃうし、こっちとしては散々なんだからね」

 「レイにも管理人のおっさんにもそれなりの謝礼はしただろ?それに襲う振りだけって頼んだのにあのおっさん、思いっきり指いれたじゃねえか。こっちが違約金もらいたいくらいなのに」

 確かにそのことについてはレイは管理人を締め上げた。しかしそれくらいしなければ芝居だと見抜かれる、というのが管理人のいい訳だ。

 「・・・まあ、結果上手くいったからレイには感謝してるよ」

 駄目になりそうな夫婦が駄目になり、達也は欲しかった女を手に入れた。

 「で・・・どうなのよ、たっちゃんは」

 「どうって・・・何が?」

 強引に奪った女とは幸せになれるのだろうか、いずれ雛がこのことに気づくときが来るんじゃないか、そう思わないのだろうかとレイは思う。

 「・・・いや、何でもない・・・」

 変なやつだなあ、と達也は言い、あ、と何かを思い出したように大声をあげた。

 「俺、今日の検診一緒に行くって約束してたんだった。今何時だ?あ、間に合うな。おいレイ、部屋この状態で引き渡していいか?」

 鍵をレイに渡すと達也は慌てたように、靴を履き、出て行こうとした。

 「あ!ちょっと待ってよ、たっちゃん」

 「なんだ?」

 何が聞きたいのか、でも彼らは幸せだということを確かめたかった。

 「・・・雛ちゃん、大事にしてね・・・赤ちゃんいるし・・・」

 達也は何を聞いてるんだという呆れた顔をしたが、

 「おお、大事にしてるぞ。最近はセックスも優しくしてるし」

 「ばか!そんなこと聞いてないわよ!」

 強引に奪った女だからこそ達也は大事にするだろう。

 「落ち着いたら久美子と一緒に遊びに来いよ。雛も喜ぶ」

 達也に手を振りながら、大きなお腹の雛とその横で笑う達也の姿が想像できた。あ、大丈夫かも。きっとあの二人なら大丈夫。遊びに行くときにはあのパン屋さんのパンとサンドウィッチがいいかな、と考えながらレイは手を振っていた。



 終わり


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長い間、読んでいただきありがとうございました。
読み返して、雛ちゃん子供産んだら色々手続きが面倒だろうなあって思いますが
幸せならいっか、と思ってます。

次回作は官能小説では避けては通れない?
童貞モノにチャレンジします。

またよろしくお願いします。

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コメント


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お疲れ様でした

最初はよくあるダブル不倫の話かと
思ってましたが
良い意味で裏切られて
とても良かったです(#^_^#)
次のお話も楽しみに②していますね

藍花 | URL | 2013-01-22(Tue)16:21 [編集]


最後が…

更新されるのを楽しみにしていました。

最後は二人幸せになりとても良かったですが…
最終回がなんだか、バタバタと締めくくった間がありました…
皆川もと旦那とのやり取りなども、少し加えることにより、最終二人の絆が今以上に深く感じたのでは?

ただのエロ小説ではない文才の良さをとても感じます。

これからも楽しみにしてます

まな | URL | 2013-01-22(Tue)22:07 [編集]


お疲れ様でした

同名だからか、雛子の事すごく心配でした。
でも、達也が想像よりイイ奴で良かった。ww
確かに、ケイスケとの話し合いのシーンは読みたかったなぁ。
その上で達也と雛子が愛の再確認し、よりを戻し二人は幸せになり、めでたしめでたし。
なぁーんてね。ww

次回作も楽しみにしてまーす。o(^-^)o

ひな | URL | 2013-01-23(Wed)00:41 [編集]


面白かったです

他の方の感想にもありますが、最終話の前に少し雛夫妻のやり取りがあっても良かったかな~、最後がサラッと過ぎたかなとも思いましたが、思いも付かないような展開で楽しく読めました♪

特に達也と雛との濡れ場は、作者様の意図の通りにギンギンでした(笑)
あんなセックスをしてみたいものです♪

次回作も楽しみにしていますね。

PS
たまに来てまとめ読みで、ポチにあまり協力できず申し訳ないです。。。

けんけん | URL | 2013-01-23(Wed)15:28 [編集]


藍花さんへ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

もっと練ってから完結させたほうが良かったのかな?
と考えてしまってます。

次回も藍花さんに面白く読んでもらえるようなお話を
書きますね。

これからもよろしくお願いします。

神柳明 | URL | 2013-01-24(Thu)08:17 [編集]


まなさんへ

コメントありがとうございます。

そうですよね。
どうも官能小説というカテゴリにこだわってしまって(というかランキングが気になって・・・)、濡れ場がないと先に進みたくなってしまってました。反省しています。

次回はもっとセックス以外の描写も丁寧に書いていこうと思っています。

これからもよろしくお願いします。

神柳明 | URL | 2013-01-24(Thu)08:23 [編集]


ひなさんへ

コメントありがとうございます。

そうか~
皆さん、圭祐と雛子の話し合いを見たかったのか・・・
書こうかどうか迷ったんですが、それを書くと長くなるかなあ・・濡れ場じゃないしなあ・・・と考えてしまいました。

達也はいいヤツなのかな?そう言っていただけると嬉しいです♪
私にとって達也は結構理想の男性なんですよ(笑)

次回は男性1人称で書きたいと思ってます。
これからもよろしくお願いします。

神柳明 | URL | 2013-01-24(Thu)08:31 [編集]


けんけんさんへ

コメントありがとうございます。

う~ん、やはり離婚前の夫婦のやり取りは必要だったのですね。
ちょっと書き直してみたくなりました。検討します。

男性の方にギンギンになってもらえて、とても嬉しいです。
おっきくさせないと官能小説じゃないですもんね。

毎日ではなくても
読んでもらえたらそれだけでかみやなぎは幸せです♪

次回作は童貞青年が主人公の予定です。
よろしくお願いします。

神柳明 | URL | 2013-01-24(Thu)08:39 [編集]