「まだ引越しの片付け、終わってないんだよね~。遠慮しないであがって」
私は奥から、達也の奥さんが来ると思って玄関で立ち止まっていました。
「達也・・・さん。奥さんは?」
ああ~、というような表情をした達也はスリッパを出しながらいいました。
「・・・奥さんか・・・まあ、そうなんだけど、久美子はもう仕事にいったからいないよ。だから遠慮しなくていいよ。」
奥さん、久美子って言うんだ。そのことを聞いて私はやっぱり来るんじゃなかったと後悔しましたが、達也に促され部屋に入ってしまいました。
間取りは私たちの部屋と同じです。玄関から入って両側にそれぞれ一つずつ洋室があり、一番奥にリビング、右手にキッチン、リビングから障子を隔てて和室がありました。前田家のリビングには数個のダンボールが封も開けられていないまま積まれていました。
キッチンには朝の食事の後が残されていました。
「なんで、女ってヨガにはまるんだろうね~。俺にはよくわからん。久美子の教室も生徒が一杯でさあ。金持ちの奥様方は家にインストラクター呼んで、ヨガ習うんだぜ。」
1度挨拶で会った達也の奥さんは小柄でショートカットでした。なるほど、快活な感じがしたのは身体を動かす仕事をしているからか、と納得しました。私とは正反対のタイプです。
「達也は奥さんとどこで知り合ったの?職場で?」
ダンボール箱を開けながら、困ったように達也は答えました。
「職場じゃ、ないかな。先輩の紹介だよ。結婚なんてね~、するとは思わなかったよ・・・」
あ、あった、あった、と1枚のDVDを私に渡してくれました。
「これ見てよかったら、久美子の教室、考えてやってよ。2つ先の駅前のジムでやってるんだ。俺からの紹介だから安くしておくよ。」
パンフレットも差し出されました。どうやら達也は下心なしに家に呼んでくれたようです。変に考えすぎていた自分が恥ずかしくなりました。
「あ・・・ありがとう。うちでゆっくり見てみるね。」
パンフレットを受け取ろうと手を出した時、いきなり手首を掴まれました。
「・・・達也?」
痛いぐらいに掴まれます。
「・・・って、そんな簡単に俺が帰すと思った?」
手首をひっぱられて達也の胸に飛び込むようになりました。懐かしい匂いがしました。パンフレットとDVDが柔らかな絨毯の上に音もなく落ちました。
「ああ・・・ひな、雛。会えて嬉しい・・・」
ぎゅっと抱きしめられます。
「あ・・・達也、ダメよ、私たち、お互いに結婚してるのよ!」
離れようともがきますが、達也の両腕はそれを許してはくれません。
「・・・あんな別れ方して・・・ずっと後悔してたんだ。」
達也の唇が耳に触れてきます。吐息と囁き声が私の身体から抵抗する力を奪っていきました。
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「達也・・・さん。奥さんは?」
ああ~、というような表情をした達也はスリッパを出しながらいいました。
「・・・奥さんか・・・まあ、そうなんだけど、久美子はもう仕事にいったからいないよ。だから遠慮しなくていいよ。」
奥さん、久美子って言うんだ。そのことを聞いて私はやっぱり来るんじゃなかったと後悔しましたが、達也に促され部屋に入ってしまいました。
間取りは私たちの部屋と同じです。玄関から入って両側にそれぞれ一つずつ洋室があり、一番奥にリビング、右手にキッチン、リビングから障子を隔てて和室がありました。前田家のリビングには数個のダンボールが封も開けられていないまま積まれていました。
キッチンには朝の食事の後が残されていました。
「なんで、女ってヨガにはまるんだろうね~。俺にはよくわからん。久美子の教室も生徒が一杯でさあ。金持ちの奥様方は家にインストラクター呼んで、ヨガ習うんだぜ。」
1度挨拶で会った達也の奥さんは小柄でショートカットでした。なるほど、快活な感じがしたのは身体を動かす仕事をしているからか、と納得しました。私とは正反対のタイプです。
「達也は奥さんとどこで知り合ったの?職場で?」
ダンボール箱を開けながら、困ったように達也は答えました。
「職場じゃ、ないかな。先輩の紹介だよ。結婚なんてね~、するとは思わなかったよ・・・」
あ、あった、あった、と1枚のDVDを私に渡してくれました。
「これ見てよかったら、久美子の教室、考えてやってよ。2つ先の駅前のジムでやってるんだ。俺からの紹介だから安くしておくよ。」
パンフレットも差し出されました。どうやら達也は下心なしに家に呼んでくれたようです。変に考えすぎていた自分が恥ずかしくなりました。
「あ・・・ありがとう。うちでゆっくり見てみるね。」
パンフレットを受け取ろうと手を出した時、いきなり手首を掴まれました。
「・・・達也?」
痛いぐらいに掴まれます。
「・・・って、そんな簡単に俺が帰すと思った?」
手首をひっぱられて達也の胸に飛び込むようになりました。懐かしい匂いがしました。パンフレットとDVDが柔らかな絨毯の上に音もなく落ちました。
「ああ・・・ひな、雛。会えて嬉しい・・・」
ぎゅっと抱きしめられます。
「あ・・・達也、ダメよ、私たち、お互いに結婚してるのよ!」
離れようともがきますが、達也の両腕はそれを許してはくれません。
「・・・あんな別れ方して・・・ずっと後悔してたんだ。」
達也の唇が耳に触れてきます。吐息と囁き声が私の身体から抵抗する力を奪っていきました。
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