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官能小説もどき

フルタイムで働きながら官能小説家としてデビューも狙っているかみやなぎです。ひとまずの目標は毎日更新です。

「三姉妹 三女 真美子6」

店舗研修が終わり、配属先が決まった。真美子は家から車で20分のお店になり、GWの休みもしぶしぶ取らせてもらうことができた。

 「新入社員だから特別よ、来年からは出てもらうからね」

 1年先輩のチーフに言われて、真美子はやっぱりスーパーは止めておけばよかったと思うのだった。

 休みが決まったその日の晩に遠藤に電話をかけた。

 「もしもし?遠藤君?前言っていた私の就職祝い、日にちが決まったんだけど・・・」

 けれど久しぶりに聞いた遠藤の声は不機嫌だった。

 「真美子、遅いよ、休み決まるのがさあ。こっちだって予定があるんだから」

 真美子の職場は毎月決まった曜日が休みになるわけではない。他の従業員やパート、アルバイトの都合を優先して、人手が足りている日に社員が休みを取れるようになっている。だからシフトが決まるのが遅くなるのだ。

 「ごめん、でも、これでも無理言って休ませて貰った日なの。来てくれないかな?お姉ちゃんも会いたがってるし」

 「仕方が無いなあ。夕方の5時ごろにそっちに行ったらいいんだな?わかったよ」

 「ありがとう・・・で、その前に夜でもいいから会えない・・」

 言っている途中で電話を切られてしまった。

 最近、忙しいのを理由にされてメールも電話も激減した。毎日連絡すると言ったのにいまでは3日に一回、短いメールが来ればいいほう。慣れない環境で余裕がないのがわかる

 
(でも、もうすぐ会える・・・その時にもっと話をしよう。お姉ちゃんに紹介してみんなに認めてもらったら、遠藤君の態度も変わるかも・・・)

 そう思いながら、真美子はその日を楽しみに待っていた。


 当日は、いつも真美子一人しかいない家が甥や姪、義兄たち、姉が集まり賑やかになった。昼過ぎから美登里と真美子は料理の用意をし、男たちは酒などの買出しに行っていた。
けれど、佳美だけは手伝いもせず、部屋に閉じこもり誰かと電話で話している。

 「よし姉ちゃん、ずっと誰かと話しているね。誰だろう?手伝ってくれないのかな?」

 「仕事なんじゃないの?また最近忙しいみたいよ。土曜も会社に行ってるみたいだし」

 美登里は手際よくサラダを盛り付けながら、話した。

 「それにしても、今日は私のお祝いでしょ?なんで私が台所に立たないといけないのよ」

 唇を尖らせて美登里に抗議した。

 「ふふふ、今日は遠藤くんもくるんでしょ?だったら料理作ったほうがおもてなしができていいじゃない。まみちゃん、上手なんだし」

 私が作った料理を遠藤君がおいしいって食べてくれる・・・そんな光景を想像すると4月になって少し離れたような気持ちがまた元のようになれる気がした。

 「あ~、もう!」

 ドアが乱暴に開けられ、佳美が現れた。

 「あら、佳美。電話は終わったの?」

 美登里はいつものおっとりとした対応をしているが、真美子は佳美の不機嫌を敏感に感じ取っていた。

 「終わったわよ・・・ちょっと何か飲むものない?」

 冷蔵庫のドアを開けて中を物色している。

 「今、将彦さんたちがジュースとか買いに行ってるけど・・・」

 「あ、これでいいよ」

 中から真美子が日頃の晩酌用に買っていたチューハイを取り出していた。

 「あ、それ、私の!それにこれから遠藤君が来るのに先に飲まないでよ」

 佳美は機嫌が悪い時は、悪酔いするのだ。

 「なに?真美子、あんたまだ付き合っていたの?もう、別れたと思っていたわ」


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ランキング、気にしちゃ駄目なんでしょうけど、やっぱり気になりますね。
最近更新していなかったということと、濡れ場ではないこと、
それにやはり上手な方が上位に入ってますからね・・・
これが今の私の実力なんでしょうね・・・

でも、やっぱり一つでも上にいきたい!
もっと面白いと思っていただけるお話を作っていきます!

しかし、「三姉妹」の濡れ場はもう少し後になります。
ごめんなさい。

濡れ場じゃないところでも面白くできたらいいんでしょうが・・・


 

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「三姉妹 三女 真美子7」

あ~、やっぱり機嫌が悪い。どうしてこの日に機嫌が悪くなるんだ。

 と真美子は心の中で悪態をついた。

 「佳美、今日は遠藤君が来るんだから、間違ってもそんなこと言うんじゃないわよ」

 珍しくおだやかな美登里が怖い声を出した。

 「はいは~い。私、もう少し会社に電話しなきゃいけないから、用意できたら呼んで」

 キッチンを出て行く佳美の背中を見ながら、真美子は美登里に言った。

 「何、あの態度。仕事の電話しながら酒飲むんじゃないって言いたいわ」

 けれども、美登里は聞こえていないのか険しい顔をしていた。

 「みー姉ちゃん?聞いてる?」

 「あ、ご、ごめん。ちょっと考え事してたの。佳美は・・・仕事、辞めたほうがいいんじゃないかしら。あの調子じゃあ、・・・」

 おだやかでのんびり過ごしていて、滅多に人の生き方に口出しすることがない美登里が佳美に対して厳しいことを言っている。

 「え・・・?みー姉ちゃんがそんなこと言うなんて・・・よし姉ちゃん、そんなに仕事大変なの?」

 真美子の問いかけに一瞬、驚いたような表情を見せたが、次の瞬間にはいつもの美登里の顔に戻っていた。

 「ああ、ちょっとね。疲れているみたいだったでしょ?」

 この前に佳美を見かけたときに、横にいた男性は会社の人だったのだろうか?土曜日の朝に出かけなければならないほど、忙しいのかな・・・

 「あら、もう4時半よ。そろそろ遠藤君くるんじゃない?」

 美登里がそう言ったとき、玄関のチャイムが鳴った。

 ドアを開けると、花束を持った遠藤が立っていた。スーツを着ている。

 「ちょっと早かったかな・・・コレ、どうぞ・・・」

 綺麗なピンクのバラだ。初めて花束をもらった真美子は嬉しくて、美登里や佳美がいてなかったら抱きついていたところだ。

 「あ、ありがとう・・・遠藤君、スーツ、よく似合っているね」

 滅多に見ることができないスーツ姿に見とれてしまっていたが、遠藤の表情は曇っていた。

 「あのさ、真美子、話があるんだ・・・」

 「何?」

 「俺、今日は・・・」

 話しかけたとき、遠藤の後ろから子供の声が聞こえた。

 「ママ~!ただいまぁ!」

 遠藤の足元から和也が走りこんできた。続いて男の声も。

 「ちょっと買いすぎたかな・・・あ、こんにちは。え~っと、真美子ちゃんの彼氏?」

 辰夫が声をかけてきた。

 「あ・・・はじめまして、遠藤と言います」

 「へえ~、かっこいいねえ。玄関で話もなんだし、あがったら?」

 将彦も由香を抱っこして入ってきた。

 「あ・・そうよね。あがって、遠藤君」

 真美子はさっき遠藤が話しかけたことが気になったが、花束と久しぶりに会えたことで舞い上がっていた。

 テーブルにはもう料理が並べられており、真美子は遠藤の隣に座った。

 「あら、もう始めるの?早くない?」

 佳美が部屋から出てきて、真美子の正面に座った。顔がほんのり赤く、酔っ払っているのがわかる。真美子は嫌な予感がした。

 「じゃあ、真美子ちゃんの就職を祝って・・・って、遠藤君もだな。では、二人にかんぱ~い」

 将彦の声で、それぞれのグラスを上げた。真美子も遠藤のグラスと乾杯をしようと、横を見ると、緊張した表情をした遠藤がいた。

 「遠藤君、どうしたの?」

 いきなり姉や義兄たちに会ったのだから、落ち着かないのかと真美子は思っていた。

 「いや・・・真美子、後で話があるんだ・・・」

 「・・・わかった」

 久しぶりに遠藤に会えて、いろいろ話したいことがある。仕事のことや二人のこれからのこと。次のデートは遠藤に休みをとってもらおうと考えていた。

 「でも~、真美子もよくスーパーなんかに決めたわよね~。土日休めないのに」

 大きな声が真美子の幸せな気分を切り裂いた。佳美だ。

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「三姉妹 三女 真美子8」

「な、なによ、いきなり。いいじゃない別に。よし姉ちゃんには関係ないじゃん、ね~」

 佳美から視線を遠藤に戻して彼の同意を得ようとしたが、遠藤はグラスを握ったまま、俯いていた。

 「いいの~?本当に?絶対、彼と別れるわよ。断言するわ」

 部屋の雰囲気が緊迫したものになった。美登里が話を逸らそうと佳美を呼んだ。

 「佳美、次の料理を運ぶの手伝ってくれる?」

 だが、聞いていない。

 「だいたい、私が資格とって専門職に就けって言ったのに、言うこと聞かないから地元の小さな小売にしか就職できなかったんじゃない。そんな誰にでもできる仕事じゃあ、美登里姉さんみたいに、専業主婦にしかなれないわよ」
 
 「佳美、いいかげんにしなさい」

 「佳美、飲みすぎだぞ」

 美登里と辰夫が諌めるように言ったが、それでも佳美は話続けた。

 「あ、専業主婦は今は勝ち組かしら?でも結婚しなくちゃいけないわよね~。真美子はどうなの?隣の彼と結婚できると思ってるの?」

 「そんなのよし姉ちゃんには関係ないでしょ!」

 遠藤は相変わらず俯いたままだ。

 「無理よ。今の時期、有給なんて取れないわよ。休みが取れなきゃ真美子とは会えないわ。そうでしょう?遠藤くん?」

 「そ・・・そんなの、わかんないじゃない!・・・ねえ、遠藤君・・・」

 真美子は遠藤を見たが、やはり下を向いたままだ。

 「ごめん・・・遠藤君、お姉ちゃん、酔っ払っているみたいで・・・」

 突然、遠藤が立ち上がった。

 「すいません。俺、帰ります」

 「え?あ、ちょっと、遠藤君・・・」

 止める真美子を無視して、遠藤は部屋を出て行った。

 「あ~、図星だったかなあ。彼、あんたと別れる気だね」

 グラスにワインを注ぎながら、まだ佳美は喋っていた。

 「よしねえ・・・」

 真美子が唇が震えたとき、美登里の声が響いた。

 「いい加減にしなさい!佳美!」

 あまりに大きな声で、リビングで遊んでいた由香が泣き出した。それでも、美登里は佳美を見据えて話した。

 「自分がつらいからって、妹に八つ当たりするのはやめなさい!関係ないでしょ!あなたと真美子や遠藤君は」

 え?八つ当たりって・・・

 佳美に言おうとした言葉がすっかり引っ込んでしまった。

 「まみちゃん、遠藤君、追いかけて」

 「え・・・?」

 「早く!」

 声に押されるように、玄関を飛び出した。後ろでは由香の声とあやす将彦の声。佳美と美登里の怒声が聞こえた。

 遠藤が道の先に歩いてるのが見えた。「遠藤君!」大声で呼ぶと真美子のほうを振り返った。

 「待って!遠藤君!」

 走って追いつくが、遠藤は何も話さない。

 「・・・はぁ、はぁ・・・ご・・・ごめんなさい・・・姉が、失礼なこと言って・・・」

 ふぅ、っとため息が聞こえた。

 「いや、いいんだ。本当のことだし・・・話したいことがあるって言ったろ?ここで話してもいいかな?」

 走って追いついたので、真美子の息はあがったままだ。心臓の鼓動も早い。でも、今はそれとは別の意味で息苦しい。

 「・・・何?」

 「もう、お前とは別れたいんだ」

 え・・・

 「仕事・・・かなりきついんだ。とても平日に休める雰囲気じゃない。今は仕事のことだけ考えたいんだ」

 別れる・・・という言葉が真美子の頭の中で上手く捉えることができない。

 「え・・・どうして・・・」

 「もう、うんざりなんだよ!疲れているのに、メールや電話を催促されるのは!真美子、お前だけが仕事で大変じゃないんだぞ!」

 言葉が出なかった。確かに遠藤からのメールは少なくなっていたが、真美子は返事が無くても毎日メールをしていた。その日の出来事や仕事の愚痴だが、メールの催促のつもりではなかった。

 「そんなつもりじゃ・・・私、ただ、遠藤君と・・・」

 繋がりたかった。

 「もういいよ。お前の姉さんの言葉で決心がついた。無理だ。生活がもう合わないんだ・・・」

 遠藤は背を向けて、駅の方向へ歩いていった。


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「三姉妹 三女 真美子9」

 真美子は突然言われた別れの言葉を何度も頭の中で繰り返しながら、家に帰った。

 理由は?仕事のせい?休みが合わないから?私が何度もメールしたから?

 いや・・・違う。

 玄関を開け、リビングを覗いたが誰もいなかった。そういえば子供たちと男性の靴がなかったので、どこかへ出かけたのだろうか。せっかく開いてくれたお祝いの席が台無しになったな・・・真美子はそう思いながら自分の部屋に戻ろうとした。

 部屋に入ろうとしたときに隣の部屋から話し声が聞こえた。

 「まだ、あの人、別れてないの?佳美、あなたやっぱり騙されてるのよ」

 美登里の声だ。

 騙されてる?

 「違うわよ!・・・ちょっと揉めているだけで・・・ちゃんと奥さんと別れるっていってるもの・・・」

 佳美の声も聞こえる。

 「・・・あなたが好きな人と幸せになるならって、あんなことしたけど・・・ねえ、辰夫さんとのこと、もう一度考え直したら?」

 「なによ、いまさら被害者づらしないでよ。お姉ちゃんだって楽しんでたじゃない。渡したお金で借金も返せたんでしょ?もう、私のことに口出ししないで!」

 「佳美・・・」

 ドアを開けた。美登里と佳美が驚いたように真美子を見た。

 「何?みー姉ちゃん、借金って?よし姉ちゃんと何かあったの?」

 真美子の知らないところで何がある。

 「・・・あんたには関係ないわよ・・・」

 佳美はあれからまた飲んだのだろうか、顔が赤い。美登里が慌てて間に入った。

 「ちょっと・・・ね。まみちゃん、遠藤君は?話できた?」

 遠藤君・・・

 「・・・ふられた・・・」

 「え?どうして?」

 どうしてって・・・どうしてって・・・・!

 「そんなの決まってるじゃない!よし姉ちゃんのせいよ!」

 溜まっていた思いが飛び出してきた。

 「よし姉ちゃんが酔っ払ってあんなこと言うから!せっかく今日久しぶりに遠藤君と会えたのに、あんな余計なこと言って!」

 涙が出てきた。遠藤の前では我慢していた感情が二人の姉の前であふれ出してきた。

 「よし姉ちゃんなんか、大っ嫌い!」

 「まみちゃん・・・」

 美登里が何か言いかけたが、最後まで聞かずに自分の部屋に飛び込んだ。

 よし姉ちゃんが悪いんだ・・・あんなこと遠藤君に言うから、別れることになったんだ・・・

 溢れる涙をぬぐうこともせず、真美子は遠藤を失った悲しみと佳美への怒りで身体を震わせていた。



 大切な人を失っても時間は止まってはくれない。次の日からはいつものように慣れない仕事をこなし、疲れて家に帰る。大型連休で忙しいほうが真美子には良かった。遠藤のことを少しでも忘れられるからだ。でも、携帯はいつも持っていて、彼からの連絡がないか確認していた。

 佳美とはあの日以来話もしていない。美登里は何度か電話があった。心配しているのがわかったが真美子はそっとしておいて欲しかった。佳美と美登里の間に何かあった事は感じていたが、今は自分自身のことで精一杯、人のことまで考える余裕はない。


 ただ目の前の仕事をこなしているうちに、岡田と約束した飲み会の日が近づいていた。


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更新遅くなってすいません・・・
FC2にログインできなくて、焦っていました。

濡れ場ないねえ(笑)
もう少しお待ちくださいね。






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「三姉妹 三女 真美子10」

「え~、田中さん、やっぱり彼氏と別れたんだ~」

 駅前の居酒屋で数人の同期が集まっての飲み会だ。真美子は岡田の隣に座りビールを飲んでいた。

 「何よ、やっぱりって」

 少しムカッとしたが、別れたのは事実だ。

 「結構多いから、同期や先輩で学生から付き合っていた人が別れたって話。やっぱり休み合わないのは致命的よね」

 そうだろうな、と思ったが真美子は別れた直接の原因は姉の佳美の暴言だと考えている。

 「ね~、山本君、そうでしょう?」

 岡田が向かいに座っている山本に話を振った。

 「山本君も最近、彼女と別れたらしいよ」

 山本は苦笑いをしながら、から揚げをつまんでいた。

 「休みが合わなくて別れるんだったら、休みが合う男と付き合えばいいじゃん。さ、今日はじゃんじゃん飲んで、嫌なことは忘れよ!」

 勝手にビールのお代わりをされ、飲むペースが上がってくる。仕事で疲れ気味だし、早くも酔っている感じがした。

 「田中さんも振られたんですか?」

 山本が話しかけてきた。

 「え?ああ、まあ、そうです。なんか、メールとか、重かったみたいで・・・」

 「そうですか・・・僕は休みに会えないのがつらいって言われて振られました。こっちも仕事でいっぱいいっぱいだったから、引きとめることもできなくて・・・2年付き合ったのに別れる時なんてあっけないね」

 そうなんだ、あっけないんだよね・・・少し前まで裸でイチャイチャしていた仲なのに別れるときはあんな冷たい言い方されて・・・

 「田中さんならすぐにいい人と出会えそうだけど、僕はこの仕事だと出会いは厳しいなあ」

 「あら、山本君、同じ職場にも女性がいることを忘れないでよ~」

 岡田がけらけらと笑いながら話していた。

 同じような人がいることで、真美子はちょっとだけ楽しく飲むことができた。



 しかし、飲みすぎたようだ。

 気が付いたら車の後部座席に座らされていた。隣には心配そうな顔をした岡田がいた。

 「う・・・ん・・・あ、岡田・・・さん・・」

 「あ!気が付いた。良かった~このまま朝まで寝られたらどうしようかと思ったよ。大丈夫?」

 「目覚ました?家どこか教えてもらえるかなあ」

 運転席には山本がいた。

 「あ・・・山本くん・・・飲酒運転・・・」

 「山本君は明日朝から仕事だから飲んでないの。ちょっと、家まで送っていくから道、教えなさいよ」

 ふわふわと頭が浮いた感じがする。ジョッキに2,3杯しか飲んでいなかったのにこんなに酔いが回るとは・・・真美子はぼんやりする景色を眺めながら、なんとか道を山本に教えた。


 「う・・・ん。みんな、ありがと・・・ね」

 家の前まで送ってもらい、ふらつく脚で車を降りた。

 「大丈夫?もう、お風呂に入らずにすぐ寝るんだよ?」

 岡田が窓から顔を出し声をかけるが、真美子はただ頷くだけだった。

 車のテールランプが見えなくなると、真美子はドアを開けようとしてバッグの中からキーを出そうとした。


 ・・・ない・・・

 酔いが一気に醒めていった。

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